Art Gallery  鈴木惟司の世界

釜谷出身(岩槻在住)でお神楽の大ファンでもある鈴木さんの木工芸


3月の模型復元WSに鈴木さんの完成『竜宮城』が

 「風だより」に鈴木さんのお便りを収録しましたが(こちら)、下の般若心経を欅に古木に刻んだ作品を龍宮の門(?)に見立てた「竜宮城」が3月のWSの直前に完成したそうで、WS会場に運び込まれたものを拝見しました。
 かなり大きなもので、岩槻からの運搬も会場での設置も大変だったようです。管理人は撮影に失敗したのですが、数日前鈴木さんから写真と文章が届きましたので、風だよりに収録させていただいた次第です。
 この竜宮城にお参りする心得が添付されていましたので、繰り返しになりますがここにも掲載させていただきます。
●竜宮城へのお参りの仕方
 大震災で亡くなられた方、行方不明になった方は、今どうしているだろう
 皆さんは今、竜宮城で乙姫様と共におります。乙姫様の別の名を観音様と言います。今皆さんは観音様のもとで何不自由なくなかよくゆっくりとおすごしです。
 竜宮城の前に正座し縦格子(悟りの窓)を開け合掌し、今お逢いしたい方を心の中で呼び出しますと、胸の中にスーと入ってこられ、〈今、観音様の元で何不自由なく皆さんとなかよく、ゆっくりすごしてるから安心してね……〉と言って又スーと悟りの窓の中へ帰って行きます。
 (鈴木さんのお便りから)     (2017.4/16)


般若心経を刻む 2 (2016.12.11)

欅の古木に刻む般若心経のこころ
樹齢400年のケヤキの古木に般若心経とおめでたい鶴と亀が丹念に彫り込まれています。
仏教には聞恵・思恵・修恵という言葉があるそうで、上の古木に生の極意込められているようです。
それぞれの写真をクリックしてゆっくりとご覧ください。
同時に送られてきた下の3点の書も仏法の深淵に触れる鈴木さんの思いです。

一番上の写真の右側部分

鯉が2匹向き合っていますが、このように読むのだそうです

般若心経を刻む (2014.11.05)
樹齢350年、ケヤキの古木に般若心経276文字を刻みました

釜屋観音寺様へ奉納された般若心経

ケヤキの古木の板一枚で二つ刻みました


*上は「釘を使ってません」という証拠写真
*左は9月28日(平成25年)、長面のお神楽、
 観音寺お参りに行くために作った台車。

 




鈴木惟司さんのお便りから
@晴天の朝、日の出に起床
A般若心経を唱え、3.11で逝った方々の冥福を祈ります
B朝日を斜め前方より、幅1.5ミリのノミ先に頂き、始めます
C30分―休憩10分(外に出て草むしり)―30―休―30―休―30
D1日2時間が限界、1日2、3文字が限界です  (惟)

*ケヤキの大きい方の板の横幅が40p弱なそうなので、文字は10ミリに満たないですね。(管理人 2014.11.6)


閑話休題 自然薯と久仁男さんの川柳 (2014.11.6)


毎年、丹精をこめて自然薯を育てる鈴木さん。
「今年の山いもです」という写真が届きました。

元々は釜谷と雄勝の山に自生していた自然薯を
掘ってきて自宅の畑(岩槻)に植えたものだそうです。
ケヤキの板に漆で書刈れたという文字は

 豊葦原瑞穂の国の国民(くにたみ)に
 生まれて楽しわれは百性(たづくり)

*読み方は鈴木さんに教わりました。

「9月、長面のお神楽で仲良しになった、
お酒の大好きな方の作品です。長面の方ですが
お名前を聞くのを忘れました」とのこと。

上の絵馬の文字の話をしているうちに、
「オレの字も見てくれ」とご自宅(仮設)に駆け込んで
もってきてくれたそうです。

左下に久仁男と見えるのですが、私より若かっ
たと鈴木さんが言うので、あるいは人違いかも。


いずれにしてもきれいな川柳です。ぜひ、ご判読を

ケヤキの老木の造形
菅原泰子さんの「大川音頭」の背景を飾った木片が届きました

鈴木さん自身が撮った写真

管理人がスキャナーでスキャンしたもの

菅原さんの撮影@

菅原さんの撮影A

 *鈴木さんが古木の枝に発見した自然の造形の妙。見る人、手にとる人によってイメージはいろいろのようです。
 *たとえば鈴木さんは、上の2点の場合、左から弘象山、尾の崎の山、釜谷峠、針岡や福地の山を思い起こすそうです。(2014.11.06)
 *菅原泰子さんに送られた木片は、『大川音頭』(こちら)の背景に使われています。下2枚の写真は菅原さんの撮影です。幻想的ですね。
(2014.10.27)


法印神楽『橋引き』の寄木細工と絵馬 その後
木目と年輪と色合わせを楽しんで1年

釜谷・長面・尾崎法印神楽『橋引き』の一場面
絵馬は二つ作られ、
こちらは長面の北野神社様へ奉納されました


横幅1メートル近くもある大きな絵馬
奉納先は未定です。
『橋引き』の物語はこちら
をご覧ください。


絵馬の背面の『絆』は、
私の"かあちゃん"(奥さまのこと)の兄の作品で、
兄は硯職人です。


被災した硯を暑さ1/3に落として
「絆」の文字を掘ったそうです。

兄一家は、いま石巻の仮設でガンバッてます。(惟)


乙鶴姫、制作途中の寄木細工

色や模様の違うケヤキの板による寄木細工
上の絵馬の乙鶴姫の制作途中の姿


左の写真の部分拡大
お腹の前掛け(?)あたりに微妙な模様が見えます
微細な木片を組合わせていくのはたいへんです。

 *11月、鈴木さんから新しい写真と例の木片が届きましたので、ページを更新しました。どうぞよろしく。(2014.11.06)

 *写真と文は管理人です。写真がまずくてすみません。良い写真があったら送ってください。差し替えます
 *絵馬の奉納先はまだですが、十五浜のどこかになるようです。釜谷、長面、尾崎から名振、船越から雄勝の集落を十五浜というそうです。
 *鈴木さんは3.11で亡くなった管理人らの同級生・釜谷の豆腐屋啓二君の弟さんで、本業は建具屋さん。現在は般若心経に取り組んでいるそうです。
 *釜谷・観音寺の扁額の話も鈴木さんから伝えられたものです。近日中にアップ予定です。(2014.04.27 管理人)

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